1951-10-29 第12回国会 衆議院 予算委員会 第8号
と申しますのは、これはもちろん水田一毛作地帶でもこれに土地改良を施しまするならば、二毛作にして裏作の麦をつくり得るというような土地は百万町歩以上あるのであります。そうしてそこで麦をつくつたといたしましても、千何百万石というものがとれる。
と申しますのは、これはもちろん水田一毛作地帶でもこれに土地改良を施しまするならば、二毛作にして裏作の麦をつくり得るというような土地は百万町歩以上あるのであります。そうしてそこで麦をつくつたといたしましても、千何百万石というものがとれる。
しかしその基礎になりまする賃貸価格は、すでによい土地、悪い土地、一毛作地帶、三作毛地帶では相当開きがあると思うのであります。従いましてそれに九百倍かけましても時価に相当開きが出て来ると思います。しかしながら現在きまつております賃貸価格が必ずしもそのように地方の差のあるということに比例しておりませんことは認められるところであります。
それから終戰前に比べての一毛作地帶の経営の変化を見ますと、農地改革によるところの経済的な好影響は、二毛作地帶よりも一毛作地帶の方がより多く受けているということが言えるかと思います。それからこれも先程稻葉さんのお話がありましたけれども、一毛作と二毛作を比べて見るというと、農業收入の入り方が一毛作の方は一定の期間に限られて多くのものが入つて来る。
その点大いに研究して貰わないと、一毛作地帶の悪さも分らんと思うのです。
なお私はこの際に、少くとも今農相がお述べになりました以外に、もつと、たとえば俗に言われます有畜化にいたしましても、あるいは農産物の加工施設にいたしましても、あるいは一毛作地帶等の冬季の遊休労務を何らかの一つの工業化をする、こういうような施設が現実に具体的に今持たれねばならぬ段階にあると思うのであります。これに対しまする現実の施策としての構想を伺つておる次第であります。
一毛作地帶に比しますれば二毛作地帶においては、より査定の倍率が大きいのであります。二毛作地帶には收益作物の裁培が可能でありますから、このことから一毛作地帶より、二毛作地帶の過重負担が相対的に大であるかどうかということは、ただちに結論することはできませんが、そのことはこの調査結果のみでは明らかでありません。
なお参考までに最近農村がいかに疲弊しておるかということを申し上げますと、これは過日食糧対策議員連盟の公聽会に、われわれの仲間である多田誠君が発表いたしたのでありますけれども、二十一年度の九月から二十二年の八月までの農家生計費調査で、約千戸の調査でありますが、一毛作地帶では三千円の赤字を現在出しております。二毛作地帶では四千四百円の赤字を出しておる。畑草地帶でも二千四十五円の赤字を出しております。
次にお尋ねの点は、一毛作地帶を乾田化するために、土壌改良事業に重点をおいたらどうかという御意見でありましてこの一毛作地帶の乾田化その他土地改良事業は、増産土最も効力がある事業でありますから、政府におきましてもこれに力を注ぎまして、御承知のごとく二十二年度におきましても、約十億円の國費をもつてこれを実施したのでありますが、なお本年におきましても、引続きこの事業を施行するために計画中でございます。